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ダロウ文の推論構造 ―演繹・帰納・類比・仮説推論の観点から―

Inference Structure in Darō Sentences ―deduction, induction, analogy, and abduction―

초록/요약

ダロウは、現代日本語の認識的モダリティの中で、推量の意味を表す文末形式であり、文体を問わず幅広く使われている。その意味機能も、話者の内的判断から談話における確認要求、そして前後文脈におけるあらゆる情報を用いた客観的な判断まで様々である。そのため、ダロウ文の推論過程を辿ってみると、その内実には違いがあろうと想定される。しかし、それらのダロウ文において共通した論理があるのではないだろうかと考えられ、ダロウ文の推論構造を明らかにすることを目指している。そこで、本稿は四つの推論類型(演繹・帰納・類比・仮説)を分析の大枠として提案し、新たな考察を行う。 三種のコーパス(BCCWJ・CSJ・CEJC)から抽出した用例を分析対象とし、その結果は次の通りである。まず、ダロウ文は、推論における最初の命題を提議する役割を果たしており、それは「テーゼ」として称する。演繹推論(①-1)と(①-2)では、ダロウ文がトートロジー(同語反復)の論理の上で成立しており、話者の内的判断や談話機能としての確認要求がそれである。枚挙型の帰納推論(②-1)は、ダロウ文の固有の意味機能、つまり話者の疑念や疑問を反映するには、あまり適切ではない類型であると見られる。投射法の帰納推論(②-2)では、事態の傾向を表すダロウ文が多く観察され「共通、普通、傾向、ほとんど」などの表現との共起が確認できた。類比推論(③-1)と(③-2)では、対象間の類似点や相違点に基づき、未知の事態を予測するダロウ文が多く観察された。最後に、仮説推論(④-1)のダロウ文は、結果推量の例だけでなく、言い換えとしての機能も果たしており、仮説推論(④-2)の場合、原因推量を表す形式名詞「の」や疑問詞と共起する例が高い頻度を占めている。これらの結果を踏まえ、今後は複合型に対する考察および文体やメタ情報を用いた分析を進めていく。

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